日本政府、「高度専門職」ビザの審査基準を厳格化する方針を決定
日本政府が専門性を持つ外国人材を誘致するために運用している在留資格「高度専門職」の認定基準を大幅に厳格化する方針です。日本経済新聞の2026年8月14日付の報道によると、政府は近年の日本国内における賃金水準の全体的な上昇傾向を反映し、ビザ取得に必要な年収条件を引き上げることを決定しました。
高度専門職ビザは、学歴、職歴、年収、年齢などの要件をポイントに換算し、一定の基準を満たす外国人に交付される資格です。このビザを取得すると、通常のビザよりも大幅に短い最短1年から3年で日本の永住権を申請できる優遇措置が受けられます。そのため、日本での長期滞在や永住権取得を目指す外国人の会社員や留学生にとって、今回の改定の動きは今後の計画に直接影響を与える重大な変化となる見通しです。
年収基準の引き上げと不要な評価項目の整理
今回の制度改定の核心は、大きく分けて2つの方向性で推進されます。1つ目は、ビザ取得の必須要件の1つである年収基準の引き上げです。日本国内の全体的な給与水準の上昇に伴い、高度専門職として認められる所得の下限も現実に合わせて引き上げるべきだという判断が働きました。
2つ目は、ポイント制度自体の効率化です。現在ポイント算出に使用されている項目のうち、実際に利用される頻度が極めて低いボーナス加点項目などを一部廃止する計画です。これにより、複雑だった評価体系を簡素化し、審査の迅速化をさらに進める考えです。法務省は、これらの内容を盛り込んだ関連省令を早ければ2026年度内(2027年3月末まで)に改正し、本格的に施行する予定です。
現行制度と今後の変更点
現在運用されている高度専門職制度は、申請者の学歴、職歴、年収、年齢などを総合的に評価し、合算ポイントが70点以上の場合に「高度専門職1号」の資格を付与します。
特に、技術・人文知識・国際業務分野に該当する「高度専門職1号(ロ)」と、企業経営・管理分野に該当する「高度専門職1号(ハ)」の資格については、原則として年収300万円以上という最低年収基準が設定されています。
今回の改正案が通過すれば、この最低年収基準が引き上げられるだけでなく、年収水準に応じて与えられる段階的な加点基準も厳格化される可能性が高いです。ただし、具体的に新しい年収の下限がいくらに設定されるのか、詳細なポイント配点方式がどのように変更されるのか、そして具体的な施行日や既存のビザ保有者のための経過措置がどのように設けられるのかなどは、現時点ではまだ公式に決定・発表されていません。
在日外国人が備えるべきポイント
今回の改定方針は、今後新たに高度専門職ビザを申請しようとする人だけでなく、すでに資格を取得して永住権のファストトラック(早期取得制度)を進めている人にとっても重要な変数となる可能性があります。
- ポイント再計算の必要性: 従来のシステムで加点項目によってギリギリ70点を超えていた申請者や、年収項目で高いポイントを獲得して基準を満たしていた人は、改定後の加点項目の廃止や年収基準の引き上げにより、必要なポイントを満たせなくなるリスクがあります。
- 経過措置の確認の重要性: 改正案が施行される際、既存のビザ保有者に遡及適用されるのか、あるいは猶予期間を設ける経過措置が適用されるのかが焦点となります。今後、法務省から発表される具体的な詳細指針を注視する必要があります。
日本政府の今回の措置は、優秀な外国人材の基準を高度化すると同時に、行政手続きの迅速化を確保することを目的としています。日本での安定した定住やキャリア設計を目指す外国人住民は、今後発表される追加の詳細情報を注意深く見守り、対策を講じる必要があるでしょう。
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出典: 日本経済新聞