日本政府が深刻な人手不足を解消するため、外国人労働者の受け入れ分野を拡大する方針を積極的に推進しています。今回は、これまで外国人就労ビザの発給が制限されていた警備業分野が議論の俎上に載せられました。
日本の警察庁は2026年9月10日、外国人労働者の在留資格である「特定技能」と、2027年4月に導入予定の新制度「育成就労」の対象職種に「警備業」を追加するかどうかを議論する有識者検討会を設置すると発表しました。
今回の議論が前向きにまとまれば、日本国内で安定した仕事を求める外国人住民や留学生にとって、新たな就職の機会が開かれることになりそうです。
具体的な受け入れ分野と資格要件を議論予定
今回設置された検討会は、外国人受け入れ政策に精通した弁護士や大学教授、全国警備業協会の代表など、計6人の有識者で構成されています。初会合は2026年9月16日に開催される予定です。
検討会では、警備業の多様な業務のうち、どの分野で外国人労働者を受け入れるかについて具体的に議論します。主な検討対象業務は以下の通りです。
- 施設警備: ビルや商業施設などの安全管理および巡回業務
- 交通誘導: 工事現場や道路での車両および歩行者の安全確保業務
- 貴重品運搬: 金融機関などの貴重品や現金の輸送業務
このほか、具体的な外国人受け入れ規模(受入見込数)や、警備業務を行うために必要な日本語能力の水準、技能試験の基準なども併せて議論される予定です。警察庁は2027年1月中にも議論の結果をまとめた報告書を作成し、これをもとに法務省などの関係省庁に制度改正を求める方針です。
現行制度と警備業界の雇用現状
現在、日本の「警備業法」自体には国籍制限の規定はありません。そのため、永住者や日本人の配偶者、資格外活動許可を得た留学生などは、現在でも日本国内で警備員として就労することが可能です。
しかし、専門的な就労ビザである「特定技能」や、従来の「技能実習」制度を通じては、警備業分野での外国人受け入れが認められていませんでした。このため、関連するビザを取得して長期的に警備員として勤務することは不可能なのが実情でした。
もし今回の制度改正によって特定技能および育成就労ビザに警備業が追加されれば、現地の専門学校や大学を卒業した外国人だけでなく、海外から直接警備職として就職を希望する人材まで、安定した在留資格を得て働く道が開かれることになります。
有効求人倍率6.54倍、深刻な人手不足が背景
日本政府がこのように警備分野のビザ拡大を検討するに至った背景には、限界に達した人手不足があります。警察庁の資料によると、警備員を含む「保安の職業」の有効求人倍率(パートタイムを含む)は、2026年7月時点で実に6.54倍に達していました。これは、仕事を求める警備員1人に対して約6.5件の求人があることを意味し、求人需要が爆発的であることを示しています。
高齢化と人口減少により、日本国内の人材だけでは施設の安全確保や交通誘導を賄いきれなくなったため、最終的に外国人材の誘致というカードを切った形です。
日本在留外国人への影響
今回のビザ改正の議論は、日本に在留している外国人や、今後日本への移住を計画している人々にとって非常にポジティブなシグナルです。特に2027年4月に新設される「育成就労」制度は、未熟練の外国人労働者を育成し、長期在留が可能な「特定技能」資格への移行を支援する仕組みとなっています。
警備業がこのルートに含まれれば、日本語能力を備え、誠実に勤務する外国人が警備業界でキャリアを積み、長期在留ビザを獲得して安定したキャリアを築くための新たな選択肢が生まれることになります。
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出典: nippon.com